デザイン経営の実践5つの特徴

 クリエイティブ企業・ロフトワークは大垣共立銀行のシンクタンク「OKB総研」と共同で、名古屋市にクリエイターの交流拠点「FabCafe Nagoya」を開くなど、地方都市でのデザイン経営導入を後押ししています。「名古屋共創会議」も、そうした取り組みの一環です。

 ロフトワークは経済産業省関東経済産業局の委託を受けて、「中小企業のデザイン経営」という冊子を制作し、全国8社のデザイン経営導入事例を紹介しました。冊子の中で、デザイン経営を実践している中小企業の特徴を、以下の5つにまとめています。

  • ビジョンを更新する
  • 共創のコミュニティをつくる
  • 経営にデザイナーを巻き込む
  • 組織の変革をデザインする
  • 文化を生み出す

 名古屋共創会議では5つの特徴について、5回に分けて事例を交えながら順に紹介していきます。1回目は2021年2月10日、「ビジョンを更新する」をテーマにオンラインで開きました。

ビジョンを更新した企業の事例

 当日は、工事用の計測機器レンタル会社「ソーキ」(大阪市)のケースが紹介されました。同社の経営は堅調でしたが、いずれ土木工事の需要が頭打ちになるのを見据え、新規の顧客や事業の開拓に取り組もうと考えました。会社の存在意義を明確にしようと、2020年、会社全体でロゴやコーポレート・アイデンティティー(CI)の更新に取り組みました。

ソーキはロゴや企業理念を一新しました(2020年7月撮影)

 その結果、「すべての創造の起点になる」という意味を込め、「『はかる』の未来を創起する」という企業理念を策定しました。ロゴは「SOOKI」の「OO」をアレンジして、「∞(無限大)」を表現し、未来へのチャレンジ精神を示しました。新しいロゴや企業理念を盛り込んだ名刺や会社案内パンフレットなどで、「ビジョンの更新」を社内外に浸透させました。

 名古屋共創会議には、ソーキのマーケティング部長・双木(なみき)万梨子さんが参加。「経営トップ自身が強い意思を持って、変わらなければと思ったからこそ、プロジェクトが前進しました。また、社員が萎縮して何も意見を言えないようでは、イノベーションは生まれません。全社員参加型のワークショップやヒアリングで社内が活性化されたプロセスにも、大きな意義がありました」と振り返りました。

次回は「共創のコミュニティ」

 次回の名古屋共創会議は3月に、FabCafe Nagoyaで、デザイン経営の二つ目の特徴である「共創のコミュニティをつくる」をテーマに、リアルイベントとして開催します。愛知県弥富市のオフィス家具メーカー「ノーリツイス」4代目社長の青木照護さんらが、中小の家具メーカーなどによるものづくりのコミュニティ「1518」について、目的や狙いを紹介する予定です。

 その後も、「経営にデザイナーを巻き込む」「組織の変革をデザインする」「文化を生み出す」をテーマに順次、名古屋共創会議を開催する予定です。