目次

  1. 早期経営行動計画策定支援とは
  2. 早期経営行動計画が求められる理由
  3. 個人事業主は支援対象
  4. 早期経営行動計画と経営改善計画の違い
  5. 早期経営行動計画のメリット
  6. 利用申請から支払決定までの流れ
    1. 利用申請
    2. 計画策定支援・提出
    3. 支払申請・支払決定
    4. モニタリング
  7. 早期経営行動計画書の申請書やひな形
  8. ローカルベンチマークとの併用を推奨
  9. 問い合わせと申請書提出先

 早期経営行動計画策定支援とは、資金繰りの管理や自社の経営状況の把握などに取り組む中小企業者や小規模事業者が次のような資料をつくるのを支援する事業のことです。具体的につくる資料は主に4種類です。

  • ビジネスモデル俯瞰図
  • 資金実績・計画表
  • アクションプラン
  • 数値計画(損益計画)

 こうした資料を税理士などの専門家の支援を受けてつくるとき、20万円を上限に費用の3分の2を国が補助します。この20万円には計画づくりだけでなく、その後のモニタリング費用も含まれ、モニタリング費用は5万円までとなります。

 コロナ禍で先行きが不透明ななかでは、手元の資金が今後どうなるかを予測する資金繰り計画を作り、その計画をもとに経営改善を始める必要があります。早期経営行動計画策定支援は将来の見通しを立てるための第一歩となるものです。

 個人事業主は補助の対象ですが、社会福祉法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、農事組合法人、農業協同組合、生活協同組合、LLP(有限責任事業組合)、学校法人は対象外です。

 経営改善計画は、金融機関から金融支援を受けるため、金融機関の間での調整が必要な本格的な経営改善計画づくりを目指します。

 一方で、早期経営改善計画は、金融支援を目的としていません。経営を見直すための資金実績、計画表、ビジネスモデル俯瞰図などをつくり、金融機関との対話の糸口となるものです。

 早期経営行動計画をつくるメリットとしては次のようなことが考えられます。

  • 過去の資金繰り状況を分析し、今後の資金計画づくりに役立つ
  • 自社の経営課題を把握し、具体的な行動計画づくりに役立つ
  • 事業の将来像を金融機関と共有することで今後の資金計画が立てやすくなる

 利用申請から支払い決定までの流れは以下の通りです。

  1. 利用申請
  2. 計画策定支援・提出
  3. 支払申請・支払決定
  4. モニタリング

 中小企業・小規模事業者は、認定支援機関の専門家と連名で利用申請書を、経営改善支援センターに提出し、金融機関からも事前相談書を入手し同センターに提出します。金融機関が申請に連名で加わることもできます。

 経営改善支援センターが計画について適切と判断した場合は専門家に通知します。

 中小企業・小規模事業者は、外部専門家などと連名で支払申請書を経営改善支援センターに提出します。金融機関に早期経営改善計画を提出したことを確認できる書面も必要です。

 外部専門家が、計画にもとづいて、中小企業・小規模事業者のモニタリングをします。そのうえで、経営改善支援センターに「モニタリング費用支払申請書」、「モニタリング報告書」を提出します。

早期経営行動計画のポストコロナ持続的発展計画ひな形(経済産業省のサイトから引用)

 早期経営行動計画の申請書やひな形は、中小企業庁が公開しています。

 中小企業庁は、それぞれの企業の実態をより詳しく把握するうえで、ローカルベンチマークとの併用を勧めています。

 問い合わせと申請書の提出先は、全国の経営改善支援センターの一覧(PDF方式:364KB)を見て、最寄りのセンターへ。