目次

  1. セブン鈴木敏文氏が訴えてきた 価格よりも価値訴求
  2. セブン-イレブンが明らかにした「松竹梅」価格戦略
  3. コンビニが低価格戦略になじまない3つの理由
    1. コンビニのルーツは中小食品店からの転換
    2. 販管費率の限界
    3. 繰り返し来店させる仕掛けに見られる利便性の追求
  4. 「梅」を集めて「安心価格」
    1. 食用油
    2. 発泡酒
    3. マヨネーズ
    4. カップ麺
  5. 食パンは375円と105円が同居
  6. ダイソー100円商品がセブンに定着 今後は店利益の見極めが必要

 日本のセブン-イレブンを(実質的に)創業した鈴木敏文氏は、日本の消費者は品質の高いものを望んでいる、「価格」訴求ではなく、「価値」訴求をすべきだと、繰り返し訴えてきました。

 少しくらい高くても、お客が納得する以上の、価値の高い商品を開発すれば、喜んで購入してくれると唱えていました。その方向性の正しさは、セブン-イレブンに限らず、他のコンビニチェーンでも実証されています。

 しかし、原材料費の高騰や円安にともなう値上げラッシュ、実質賃金の減少により、消費者の低価格志向は強まっています。今回はコンビニの価格戦略について考えます。

飲食店の品書きでよく使われる「松竹梅」。セブン-イレブンは、これまで注力してこなかった「梅」にも配慮した売場をつくる

 「松竹梅」は飲食店などで、よく使われるメニューのランクです。上質から順に松→竹→梅。単純に、特上→上→並と記せばよいのですが、少し気取ったお店では「並コースください」とは言いづらいもの。松竹梅であれば、常識として知りつつも、上下関係を想起しづらく、便利な言葉として使っています。

 その3段階の価格設定を表す松竹梅を、セブン-イレブン・ジャパンの商品本部トップが戦略として語りました。商品本部長の青山誠一氏は11月17日の会見で、2022年度(下期)の商品政策と来期の展望を次のように示しています。

 「お客様の生活防衛意識は(さらに)高まっていくと考えています。これに対して 松竹梅政策をとり、竹と梅への対応を、より強調していきます」

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