目次

  1. スタートアップ創出促進保証制度とは
  2. スタートアップ創出促進保証制度、いつから?
  3. スタートアップ創出促進保証制度の概要
    1. 保証対象者
    2. 保証限度額・保証期間など
  4. 注意点

 スタートアップ創出促進保証制度は、1兆円規模と言われる2022年度(令和4年度)政府補正予算に盛り込まれたスタートアップ支援政策の一つです。

 2022年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(PDF方式)によると、失敗時のリスクが大きいために起業することをためらう起業関心層の方のうち、およそ8割が「借金や個人保証を抱えること」を懸念しているといいます。

起業の際のリスクと金融機関からの借入条件の調査結果。2022年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」から(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2022.pdf)

 その上で「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」は次のように言及しています。

 「DXやGX等に伴う産業構造の変化が生じている中、工場等の有形資産を持たないスタートアップ等にとっては、不動産担保や個人保証なしに融資を受けることは難しく、また、出資による資金調達だけでは経営者の持分が希薄化するため、成長資金を経営者の意向に応じて最適な方法で調達できるよう環境整備することが必要である」

 スタートアップ創出促進保証制度は2023年3月中に開始されます。先立って2月20日から信用保証協会や金融機関が事前相談の受け付けを始めました。

 スタートアップ創出促進保証制度用の創業計画書(EXCEL方式:55KB)の提出が必要となりますので、あらかじめ確認しておきましょう。

 スタートアップ創出促進保証制度の概要は次の通りです。

  • 創業予定者(これから法人を設立し、事業を開始する具体的な計画がある者)
  • 分社化予定者(中小企業にあたる会社で事業を継続しつつ、新たに会社を設立する具体的な計画がある者)
  • 創業後5年未満の法人
  • 分社化後5年未満の法人
  • 創業後5年未満の法人成り企業
  • 保証限度額……3500万円
  • 保証期間……10年以内
  • 据置期間……1年以内(一定の条件を満たす場合には3年以内)
  • 金利……金融機関所定
  • 保証料率……各信用保証協会所定の創業関連保証の保証料率に0.2%上乗せした保証料率
  • 担保・保証人……不要

 制度を利用する前に注意点はきちんと確認しておきましょう。

 まず、創業を予定されている方、または税務申告1期未終了の場合、創業資金総額の1/10以上の自己資金が必要となります。

 次に、信用保証付融資を受けた方は、原則として会社を設立して3年目および5年目のタイミングで中小企業活性化協議会による「ガバナンス体制の整備に関するチェックシート」による確認や助言を受ける必要があります。