最低賃金の引き上げ支援 厚生労働省と経済産業省が補助金・助成金を紹介
2023年10月から引き上げられる最低賃金に対し、厚生労働省や経済産業省は補助金や助成金などを通した支援策を出しています。補助金や助成金を組み合わせることができますが、設備など同じ補助対象に対する重複利用はできませんので注意が必要です。相談窓口も紹介します。
2023年10月から引き上げられる最低賃金に対し、厚生労働省や経済産業省は補助金や助成金などを通した支援策を出しています。補助金や助成金を組み合わせることができますが、設備など同じ補助対象に対する重複利用はできませんので注意が必要です。相談窓口も紹介します。
目次
2023年度の最低賃金が改定され、10月から各都道府県で発効されます。それによると、47都道府県で、39円~47円の引き上げとなり、全国平均で1004円となりました。
厚労省と経産省は、最低賃金の引き上げにより、影響を受ける中小企業に以下の支援を実施しており、一部は拡充しています。
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、設備投資などを行った中小企業・小規模事業者などに、その費用の一部を助成する制度です。対象事業場拡大、助成率区分見直し、賃金引き上げ後の申請を可能とするなどの拡充をしました。
キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
賃金規定などを改定し、非正規雇用労働者の基本給を3%以上賃上げする場合に、キャリアアップ助成金の「賃金規定等改定コース」が利用できます。
事業再構築補助金とは、新市場進出、事業・業種転換、事業再編またはこれらの取組を通じた規模の拡大など事業再構築を支援する制度です。
2022年10月から2023年8月までの間で、3ヵ月以上、最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いる場合、事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を以下の水準以上とすると、加点要素となります(水準が高いほど追加で加点)。
この対応は、第11回公募から適用されます。
ものづくり補助金やIT導入補助金も、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準にすることで、さらなる加点要素とします。
ものづくり補助金は第17回公募から、IT導入補助金は10月2日に申請受付開始する公募回から適用されます。
最低賃金引き上げに対する対応は、各都道府県に設置されている以下の窓口で相談できます。
厚生労働省の公式サイトによると、働き方改革推進支援センターとは、働き方改革に向けて、特に中小企業・小規模事業者の方々が抱える様々な課題に対応するため、ワンストップ相談窓口です。
よろず支援拠点とは、国が全国47都道府県に設置した無料の経営相談所です。中小企業・小規模事業者、NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者に類する方、創業予定の人が何度でも相談することができます。
各都道府県のよろず支援拠点の窓口を調べるには、中小企業庁の特設サイトを参照してください。
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