原価計算とは 価格交渉の前に把握したい労務費や間接費 役立つリンク集
原価計算は、事業に必要な原材料や燃料、労務費の値上がりを製品・サービス価格に反映しようと価格交渉するときの基礎データとして活用できます。取引先との交渉を円滑に進めるためには原価の変動を示すデータが必要となりますが、行政や業界団体が公表しているデータも活用可能です。そこで原価の把握に役立つリンク集を紹介します。
原価計算は、事業に必要な原材料や燃料、労務費の値上がりを製品・サービス価格に反映しようと価格交渉するときの基礎データとして活用できます。取引先との交渉を円滑に進めるためには原価の変動を示すデータが必要となりますが、行政や業界団体が公表しているデータも活用可能です。そこで原価の把握に役立つリンク集を紹介します。
目次
原価計算とは、製品をつくったり、サービスを提供するまでに必要な「材料費」、人件費等の「労務費」、水道光熱費や機器のリース代等の「間接費」などを計算することです。
原材料や光熱費などが高騰するなか、原価の変動をデータにもとづいて把握し、価格改定が必要な理由を示せれば、価格交渉が円滑に進みやすくなります。
自社データをどこまで公表するべきか悩むケースもあります。そんなときは、公的なデータで情報を補いましょう。日次/月次/四半期など、頻度を決めて情報収集するようにしておけば、価格交渉のタイミングを見計らう時にも役立ちます。
そこで、中小企業庁の「中小企業・小規模事業者の価格交渉ハンドブック」(PDF方式)をもとに、原価の把握に役立つリンク集を紹介します。
労務費とは、製品やサービスを製造・生み出す過程に関わっている人の人件費です。次のようなデータが役に立つでしょう。
最低賃金とは、毎月支払われる基本的な賃金であり、実際に支払われる賃金から一部の賃金(割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など)を除いたものが対象となります。
厚生労働省の公式サイト「地域別最低賃金の全国一覧」に、2002年からの最低賃金の推移が公表されています。
公共工事設計労務単価とは、国が公共工事の積算に用いる労務単価のことです。国土交通省の公式サイトで、2024年3月から適用される公共工事設計労務単価が公表されています。
国交省によると、標準的な運賃とは、ドライバーの労働条件を改善し、トラック運送業がその機能を持続的に維持しながら、国民生活と経済を支えていくために、法令を遵守して経営する際の参考となる運賃を示すことを目的としたものです。
国土交通省・全日本トラック協会が資料(PDF方式)を公表しています。
光熱費は間接費に含まれる費用で、電気・ガスなど熱供給に必要なエネルギーに要する経費のことです。
原油・粗油CIF価格は、石油連盟の公式サイトにある「貿易統計」、資源エネルギー庁「石油製品価格調査」 、日本銀行「企業物価指数(エネルギー価格指数)」が役立ちます。
エネルギー情報センターが運営する会員制の情報サイト「新電力ネット」では、全国の電気料金単価」(特別高圧・高圧・電灯・電力)が参考になります。
原材料コストは「材料費」に含まれます。業種によって参考にすべきサイトは大きく変わりますが、たとえば次のようなサイトが参考になります。
このほか、埼玉県の公式サイトにある「価格交渉支援ツール」では、主要な原材料価格(1420品目)の推移を示す資料を作成できます。また、代表的な業種の主要品目はPDF方式で掲載しています。
中小企業庁によると、原価の把握は必要ですが、製品あたり・サービスあたりの原価計算は非常に複雑なため、価格交渉を難しくする要因の一つとなっています。
一方で、中小企業・小規模事業者が、原価計算を行うための使いやすいツールが整いつつあります。たとえば、以下のようなサイトがあります。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。