ラーメン店倒産、2023年度は調査開始以来で過去最高 材料高など影響
東京商工リサーチの調査では、2023年度のラーメン店の倒産は63件と前年度の2.7倍増で、調査を開始して以来、過去最多を更新したといいます。2022年以降、円安やウクライナ情勢などを背景に原材料価格や光熱費の上昇、人手不足に伴う人件費高騰が著しく、ラーメン店は急激なコスト上昇に見舞われていることなどが背景にあると分析しています。
東京商工リサーチの調査では、2023年度のラーメン店の倒産は63件と前年度の2.7倍増で、調査を開始して以来、過去最多を更新したといいます。2022年以降、円安やウクライナ情勢などを背景に原材料価格や光熱費の上昇、人手不足に伴う人件費高騰が著しく、ラーメン店は急激なコスト上昇に見舞われていることなどが背景にあると分析しています。
東京商工リサーチによると、ラーメン店は小規模での開業が可能で、他の専門料理店と比べて参入障壁は低いため、競争は激しいのが特徴です。そのため、出店後1年以内に閉店する店舗も半数近く存在するといいます。
ラーメン店は、食材原価や人件費に加え、家賃・光熱水費・消耗品費などがかかります。ラーメンの原価率は30~35%が目安と言われていますが、コロナ禍が落ち着いた2022年以降、円安やウクライナ情勢を背景に、小麦などの原材料価格の高騰、光熱費の上昇、人手不足による人件費の高騰が顕著になっています。
ラーメン店は急激なコスト上昇に見舞われる一方、競合店が多いため、1杯1000円が上限とされるなど価格設定の難しさがあると東京商工リサーチは指摘しています。
東京商工リサーチは日本産業分類の「ラーメン店」の2023年4月~2024年3月の倒産を集計、分析しました。
東京商工リサーチの調査レポートによると、2023年度のラーメン店の負債1000万円以上の倒産は、63件で、前年度の2.7倍に増加しました。これは過去最多だった2013年度の1.5倍で、過去最多を大幅に更新したといいます。
原因別では、最多が「販売不振」の52件で、全体の8割以上を占めています。そのほかは「放漫経営」と「既往のシワ寄せ(赤字累積)」がそれぞれ4件でした。
形態別では、「破産」が58件で全体の9割以上を占め、再建型倒産では「民事再生法」が前年度の1件から4件に増えています。
資本金別では、「100万円以上500万円未満」が27件で最多で、次いで「個人企業他」が24件となっています。500万円未満の小・零細企業が8割以上を占めています。
負債額別では、「1千万円以上5千万円未満」が43件で最多で、約7割を占めました。また、「5千万円以上1億円未満」が前年度の2件から15件に増加し、複数の店舗を運営する企業でも倒産が広がっています。
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