年末調整、2024年の変更点は定額減税 非対応の源泉徴収簿に注意
国税庁によると、2024年分の年末調整では、年末調整時点の定額減税額(年調減税額)を計算し、年間の所得税額から年調減税額の控除(年調減税事務)をする必要があります。繁忙期に複雑な手続きが重なるため、中小企業経営者は経理担当者の負担増や、定額減税忘れがないか気を配っておきましょう。
国税庁によると、2024年分の年末調整では、年末調整時点の定額減税額(年調減税額)を計算し、年間の所得税額から年調減税額の控除(年調減税事務)をする必要があります。繁忙期に複雑な手続きが重なるため、中小企業経営者は経理担当者の負担増や、定額減税忘れがないか気を配っておきましょう。
国税庁の公式サイトによると、給与の支払者は、毎月(毎日)の給与を支払うときに、源泉徴収税額表をもとに所得税・復興特別所得税の源泉徴収をしています。ただし、その源泉徴収をした税額の1年間の合計額は、給与の支払を受ける人の年間の給与総額について納めなければならない税額(年税額)と一致しないのが通常です。
この不一致を精算するための手続が「年末調整」です。
年末調整の対象となるのは、年末調整は、原則として給与の支払者に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人が対象ですが、年収2000万円を超える人など例外的に年末調整の対象とならない人もいます。
年末調整は、申告書の配布や受理など例年10月ごろから準備が始まります。経理担当者はその後翌年1月ごろまで事務手続きが続きます。
年末調整が関係する納期限はそれぞれ以下の通りです。
2024年の年末調整が例年と比べて大きく変わったのが、定額による所得税の特別控除(定額減税)です。年末調整のときに、年末調整時点の定額減税の額(年調減税額)を計算し、年間の所得税額を計算します。
定額減税は、原則として年末調整の対象となる人のうち、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1805万円を超えない人で対応が必要です。年調減税額は、本人3万円と同一生計配偶者と扶養親族1人につき3万円の合計額です。
年末調整の計算時の最大の注意点が、「令和6年分給与所得に対する源泉徴収簿」右側の「年末調整」欄は、年調減税額の控除等の計算に対応していないところにあります。
そのため、例年と同じように手続きをすると、定額減税を忘れてしまう原因になりかねないので、意識して注意するようにしましょう。
定額減税は、「令和6年分給与所得に対する源泉徴収簿」の余白部分等を用いて年調年税額を算出する必要があります。
間違い防止のためには、年調減税額の控除等の計算に対応した「令和6年分年末調整計算表 (PDF) 」や「年末調整計算シート(令和6年用)」も活用しましょう。
2024年の年末調整では、定額減税額(年調減税額)の控除を行うために年調減税事務が必要です。手順は次のとおりです。
年間の所得税額から年調減税額を控除(年調減税事務)する計算方法は非常に複雑になっています。定額減税に対応している会計ソフトを使うか、会計ソフトがない場合は、「令和6年分年末調整計算表 (PDF) 」や「年末調整計算シート(令和6年用)」を使うと事務手続きミスを減らすことができます。
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