テレワーク導入の中小企業のメリットとは 課題の解決法やツールも紹介
中小企業がテレワークを導入するメリットは採用力の強化や営業の効率化が挙げられます。その一方で、生産性が下がったり、勤怠管理が難しくなったりする懸念があるほか、情報セキュリティの対策も必要です。そこで課題解決のための制度づくりやツールも紹介します。
中小企業がテレワークを導入するメリットは採用力の強化や営業の効率化が挙げられます。その一方で、生産性が下がったり、勤怠管理が難しくなったりする懸念があるほか、情報セキュリティの対策も必要です。そこで課題解決のための制度づくりやツールも紹介します。
目次
テレワークとは、ICTを活用し自宅などでオフィスを離れて仕事をする柔軟な働き方のことを指します。時間や場所を有効に活用できる特徴があり、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大とともに普及しました。
厚生労働省は、テレワークには次の3つの形態があると説明してきました。
最近では上記の3つに加え、観光地などでテレワークを活用し、働きながら休暇をとる「ワーケーション」も注目されています。
テレワークに取り組む企業側のメリットとしては、次のようなポイントが考えられます。
岡山市で働き方改革を支援する「WORK SMILE LABO」(ワクスマ)は積極的にテレワークを取り入れることで、子育て女性が離職せずに済むようになりました。
そのほか、求人票に「在宅ワークを活用した柔軟な働き方が出来ます」と追記すると、中途の求人が前年の3倍ほどに増えました。
新卒採用でも、テレワークを中心とした新しい働き方に取り組んでいることを伝えた結果、2020年度の岡山県内の新卒採用ランキングで4位にランクインしました。
営業担当も営業後に本社まで戻って書類作成をする必要がなくなったといいます。
テレワークでの業務に工夫を凝らしながら、全員参加型の経営を進めて、顧客との接点も増やしているのが、社員数33人の工業用ブラシ専業メーカーのバーテック(大阪市都島区)です。
自社で働きがいを高める工夫をして、その工夫をもとに顧客の経営者や幹部向けに、働き方改革に関するセミナーを開催しています。
一方で、新型コロナの感染拡大により、半ば強制的に社会全体でテレワークが始まったため、様々な課題も浮き彫りになりました。
テレワークの生産性については、下がるのではないかという懸念が根強く、様々な調査では、上がったという結果と下がったという結果が混在しました。
中小企業診断士の北原竜也さんは、記事「テレワークで生産性が低下する理由は?有効な対策・ITツールも紹介」のなかで、「事前の準備にテレワークに適した制度作り等の準備を行っているのか、いないのかが生産性の明暗を分けているように感じています」と指摘しています。
また、上司や同僚だけでなく、営業・取引先との連絡や意思疎通に苦労している場合も生産性が低下する可能性があります。
評価者(上司)と被評価者(部下)が離れて仕事をしており、勤務態度や仕事の進め方を把握しづらいため、人事評価や労務管理が難しいと考えられています。
社労士の岡佳伸さんは、記事「テレワークの人事評価、なぜ難しい?社労士が具体例から課題と対策を解説」のなかで「一つの解決方法として、評価項目の見える化があげられます」と説明しています。
具体的には、3つのポイントを指摘しています。
テレワークをするためには、顧客や取引先の重要データを職場外に持ち出したり、職場外に設置された端末との間で、インターネットを介して送受信したりする必要も出てきます。
マルウェアに感染したパソコンを経由して機密情報が盗まれ、身代金を要求される事件も国内外で頻発しています。
ソフトウェア開発サービスを手がけるクラウドアバント代表の陳錦生さんは記事「情報セキュリティ教育とは 準備や研修方法3つの手順・注意点を解説」で「サイバーリスクを軽減し情報セキュリティを強化するには、オペレーション、システム、人間の3つの側面から考える必要があります」と指摘しています。
こうした課題に対し、日本テレワーク協会は、中堅・中小企業がテレワークを実現するために最低限必要なシステムについて、安く、簡単に運用できる具体的な製品を提示する「中堅・中小企業におすすめのテレワーク製品一覧」(PDF方式:804KB)を公表しています。
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