目次

  1. 2024年の自然増減と社会増減
    1. 日本人住民の自然増減数、85万360人の減
    2. 日本人住民の社会増減数、1万877人の減
    3. 外国人住民の自然増減数、1万839人の増
    4. 外国人住民の社会増減数、31万8696人の増
  2. 都道府県別人口1位は東京都
  3. 市区町村別の人口1位は横浜市
  4. 三大都市圏の人口は全国の半数超
  5. 日本人の14歳以下、1994年以来毎年減少
  6. 人口減少社会 中小企業経営者はどう対処?

 総務省の公式サイトで公表している住民基本台帳をもとに、2024年の自然増減と社会増減について詳しく紹介します。

 日本人住民の自然増減数は85万360人の減少となりました。出生数は72万9367人で減少傾向にあり、1979年度の調査開始以降最少となりました。一方の死亡数は、157万9727人と、1979年度の調査開始以降最多となりました。

 日本人住民の社会増減数は1万877人の減少となっています。2015年以降増加していましたが、2022以降は減少しています。転入者数は483万1852人で、1979年度の調査開始以降最少。転出者数は、487万4448人で、2021年から2年連続で増加し、2023年に再び減少しています。

 外国人住民の自然増加数は2020年をピークに2年連続で縮小しましたが、2023年に再び増加しています。出生者数は1万9545人。2021年から2年連続で減少したが、再び増加し、2023年は2012年度の調査開始以降最多になりました。

 死亡者数は、8706人。2012年度の調査開始以降最多となった2022年に次いで多いといいます。

 外国人住民の社会増減数は31万8696人の増加となりました。内訳をみると、国外からの転入者数は、60万5863人で、国外への転出者数等は28万8510人となっています。2020年から2年連続で社会減少となりましたが、2022年から再び社会増加に転じています。

 都道府県別でみると、人口1位は東京都(1391万1902人、日本人も外国人も含む総計)です。総計に占める外国人住民の割合が最も大きいのは東京都(4.65%)です。

 都道府県別の人口増加数・増加率は以下の通りです。

総計 日本人 外国人
人口増加数 東京都(+7万237人) 東京都(+3933人) 東京都(+6万6304人)
人口増加率 東京都(+0.51%) 東京都(+0.03%) 熊本県(+24.18%)

 都道府県別の自然増加(日本人が自然増となった都道府県はゼロのため自然減が最も少ない県と記載)、社会増加数は以下の通りです。

総計 日本人 外国人
自然増加数 沖縄県(△2459人) 沖縄県(△2525人) 東京都(+2327人)
自然増加率 沖縄県(△0.17%) 沖縄県(△0.17%) 埼玉県
(+0.77%)
総計 日本人 外国人
社会増加数 東京都(+11万9144人) 東京都(+5万5167人) 東京都(+6万3977人)
社会増加率 東京都(+0.86%) 東京都(+0.42%) 北海道(+24.00%)

 市区町村別の人口1位は以下の通りです。

市区 町村
総計 横浜市(375万2969人) 広島県府中町(5万2642人)
日本人 横浜市(363万7015人) 広島県府中町(5万1948人)
外国人 大阪市(16万9392人) 群馬県大泉町(8306人)

 市区町村別の人口増加、自然増加、社会増加数1位(いずれも総計)は以下の通りです。

市区 町村
人口増加数 大阪市(+1万6055人) 北海道倶知安町(+869人)
人口増加率 東京都台東区(+2.37%) 北海道赤井川村(+22.33%)
自然増加数 東京都港区(+733人) 沖縄県南風原町(+172人)
自然増加率 東京都中央区(+0.41%) 沖縄県北大東村(+0.74%)
社会増加数 大阪市(+3万1780人) 北海道倶知安町(+925人)
社会増加率 東京都台東区(+2.68%) 北海道赤井川村(+23.15%)

 三大都市圏(東京圏、名古屋圏、関西圏)の日本人・外国人総計の人口は、6604万1511人で、4年連続で減少しています。人口割合は52.88%で、12年連続で全国人口の50%を上回っています。

 日本人住民の年少人口は、1410万8935人で、1994年の調査開始以降毎年減少しています。15~64歳の生産年齢人口は、7174万1119人で、1995年を除き、毎年減少しています。

 65歳以上の老年人口は、3571万1738人で、1994年の調査開始以降毎年増加していましたが、2023年に初めて減少し、2024年に再び増加しています。老年人口は2015年から年少人口の2倍以上に達しています。

 日本人住民の年少人口割合、生産年齢人口割合、老年人口割合の1位の自治体は以下の通りです。

市区 町村
年少人口割合 沖縄県豊見城市(18.91%) 鹿児島県三島村(23.53%)
生産年齢人口割合 東京都中央区(71.02%) 東京都小笠原村(67.37%)
老年人口割合 北海道歌志内市(54.40%) 群馬県南牧村(68.49%)

 中小企業にとって人口減少は、人材確保がますます難しくなり、市場環境の変化にもつながります。ただし、人口減少を単なる脅威としてとらえるのではなく、新たな成長機会として捉えることもできます。

 たとえば、生産性向上への取り組みの一例としては次のようなテーマがあります。

  • デジタル化・自動化
  • 業務の見直しと効率化
  • 従業員一人当たりの付加価値向上

 新市場の開拓では、次のようなテーマがあります。

  • 海外進出
  • 高齢者向け商品・サービス開発
  • 営業活動のオンライン化

 人材確保では次のようなテーマがあります。

  • 多様な人材活用(女性・高齢者・外国人)
  • 働き方改革の推進(テレワーク、副業)
  • 従業員教育の充実・スキルアップ支援