デザイン経営、5つの特徴とは

 パネルディスカッションに参加したのは、林さん、岡崎さんのほか、幼児用の教材や遊具の製造販売を手がけるジャクエツ(福井県敦賀市)常務の吉田薫さん、東京都内で「まちの保育園・まちのこども園」を運営するナチュラルスマイルジャパン(東京都練馬区)代表取締役の松本理寿輝さんです。イベントリポートの初回で紹介しましたが、ロフトワークが制作した冊子「中小企業のデザイン経営」では、デザイン経営の特徴を5つにまとめています。

  1. ビジョンを更新する
  2. 経営にデザイナーを巻き込む
  3. 組織の変革をデザインする
  4. 共創のコミュニティをつくる
  5. 文化を生み出す

持続経営のために文化を育てる

 ファミリア、ジャクエツ、ナチュラルスマイルジャパンの3社は、パネルディスカッションに先立ち、自社におけるデザイン経営の実践例を報告しました。ロフトワークの林さんはその内容も踏まえ、「デザイン経営の5つの特徴の中で、何が一番大切だと思いますか」と問いかけました。

ナチュラルスマイルジャパンが運営する代々木公園のこども園は自然環境に恵まれています(同社提供)

 2010年に創業したナチュラルスマイルジャパンの松本さんは「創業からの5年間は子どもたちや保護者、地域のコミュニティーと一緒に文化を創造する時期でした。2015年から今年3月までは、『まちの保育園』らしいアイデンティティーを言語化しようとしました」と振り返ります。「ここからの5年間は共創期です。企業や自治体、教育界などと手を組みながら、子どもたちの学びを深めたいと思っています。その意味では、デザイン経営におけるビジョンの更新から共創に入っています」

 岡崎さんは、1950年に創業したファミリアの創業家出身の経営者として、こう強調しました。「未来に向けて、会社をどうやって持続経営していくかが大事になります。僕がいなくなってもできるように、会社にDNAやカルチャーを残すようにしたいです。十人十色の時代になってほしいので、『子どもの可能性をクリエイトする』というファミリアのカルチャーを育てていきたいです」

 ジャクエツは、イベントに登壇した企業では最も古い1916年の創業です。それでも、2019年に「未来は、あそびの中に。」という新たなビジョンを発表しました。常務の吉田さんは「ジャクエツの社章は、子どもの守り神である『いぬはりこ』を使っています。創業の証しを守りながら、次の100年を目指していくためのビジョンとして定めました」と話します。

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