テレワークとは

 テレワークとは、ICTを活用し自宅などでオフィスを離れて仕事をする柔軟な働き方のことを指します。時間や場所を有効に活用できる特徴があり、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大とともに普及しました。

 厚生労働省によると、テレワークには次の3つの形態があります。

  • 在宅勤務(オフィスに出勤せず自宅で仕事をする)
  • サテライトオフィス勤務(自社のサテライトオフィスなどで仕事をする)
  • モバイル勤務(顧客先、移動中、出張先のホテルなど仕事をする)

テレワークの実施手順

 テレワークをうまく進めるためには、いきなり全員一律の対応で始めるのではなく、どんな社員から、どの業務分野で始めるかを決めて、徐々に対象範囲を広げていくことが成功の秘訣です。

 実施までには次のような手順で進めましょう。

テレワーク実施までの4つの手順(厚労省のパンフレットから引用)

1.実施に向けての検討

 厚労省によると、まずはテレワークでもできる「業務の切り出し」から始めましょう。仕事のやり方を工夫し、ITツールを活用することで、業務の範囲が広がる可能性もあります。

  • いまできる業務…データの入力、営業資料の作成、企画
  • いまはできない業務…契約書の締結(電子化すればテレワークでもできる)
  • 今後も難しい業務…機械や工場設備の操作

 テレワークの対象者は、業務内容だけでなく、従業員本人の希望も聞きながら進めた方がスムーズです。また、パソコン本体や周辺機器だけでなく、通信費や光熱費、文具消耗品や郵送用切手など費用負担についてもあらかじめ労使で話し合っておく必要があります。

2.セキュリティのチェック

 テレワークを始めると、会社のパソコンや顧客データなど機密情報を持ち出す必要が出てきます。パソコンの盗難や紛失、ウイルスなどに対するセキュリティ対策が必要です。
 テレワークを実施する取引先のセキュリティ対策に5割以上の企業が不安を感じているという調査結果も出ており、実際に取引先や海外子会社経由で情報流出しているケースもあります。

3.ルールの確認(労務管理)

 テレワークでもオフィス勤務のときと同じように労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法などを守る必要があります。

 勤務態勢も含めて労働条件が同じであれば、就業規則を変更する必要はありませんが、通信費の負担のルールを作ったり、フレックスタイム制など新たな制度を取り入れたりしたい場合は就業規則を変更する必要があります。

 就業規則の変更が必要な例は次の通りです。

  • テレワークの定義(労働条件の明示)
  • 労働時間に関する規程
  • 通信費などの負担に関する規程
  • 在宅勤務命令に関する規程

 具体的な規程の例については、記事の後半部分で参考資料を掲載しています。必要に応じて、弁護士や社会保険労務士らと相談しながら作成してください。また、テレワークでも、業務中の傷病は労災の対象になりますので注意しましょう。

4.作業環境のチェック

 温度や湿度、照明、机・イスなど従業員が作業しやすい環境で仕事をできるか必要に応じてアドバイスしてください。

テレワークで活用できるツール

 テレワークには、業務で使うパソコンやスマートフォンだけでなく、マネジメント支援のために次のようなシステムも必要になる場合があります。

  • 勤怠管理
  • 業務管理
  • Web会議
  • チャットツールなど

 ただし、ITツールはいきなり導入すると、現場の負担感が増すだけです。業務のスリム化などと同時に実施しましょう。

 Web会議はZoomやGoogle Meetなどがあるため、取引先ごとに使い分ける必要も出てきます。

 勤怠管理は一部無料でも使えるツールがあります。そおほか、表計算ソフトのエクセルで自作することもできますが、事前に知っておくべき注意点があります。

メンタルヘルスにも注意

 テレワークを続けるとメンタルヘルスに不調をきたす社員が出るおそれもあります。職場でできる対策をあらかじめ準備しておきましょう。

無料の相談先

 厚生労働省は、テレワークのための労務管理のオンラインコンサルティングを5回まで無料で実施します。詳しくはテレワーク相談センター(0570・550348)へ。平日午前9時~午後8時で受け付けています。

テレワークに役立つ資料集

「テレワークではじめる働き方改革」テレワークの導入・運用ガイドブック(PDF形式:17.7MB)

テレワーク導入ための労務管理等Q&A集(PDF形式:3.14MB)

テレワークモデル就業規則(PDF形式:10.5MB)

テレワークセキュリティガイドライン第4版(PDF形式:2.47MB)