デュアルモニターの設定・接続方法が一から分かる トラブルと解決策も紹介
デュアルモニターに挑戦したいけど、規格が色々あるし、特別な機器も必要そうで難しそう。そんな風に思っていませんか?デュアルモニターは実は簡単です。モニターのつなぎ方や設定方法、起こりがちなトラブルとその解決策を、オフィスのIT環境を整備し続けて8年の経験を踏まえて紹介します。
デュアルモニターに挑戦したいけど、規格が色々あるし、特別な機器も必要そうで難しそう。そんな風に思っていませんか?デュアルモニターは実は簡単です。モニターのつなぎ方や設定方法、起こりがちなトラブルとその解決策を、オフィスのIT環境を整備し続けて8年の経験を踏まえて紹介します。
目次
デュアルモニター(デュアルディスプレイ)とは、1台のパソコンに対して、2つのモニター(ディスプレイ)を利用することです。
デスクトップパソコンの場合は、今利用しているモニターに、追加でもう1つモニターを接続すれば、デュアルモニターになります。
ノートパソコンの場合は、1つモニターを接続すれば、ノートパソコン自体のモニターと合わせて2つになりますので、デュアルモニターになります。
デュアルモニターには、以下のメリットがあります。
デュアルモニター環境を構築するにあたり、事前におさえておきたい内容をお伝えします。
パソコンとモニターの接続の規格は、次のようなものがあります。
規格 | 特徴 |
---|---|
D-sub | 古い規格で、VGA端子とも呼ばれる。多くのモニターにD-subの入力端子がある一方で、最近のノートパソコンにはD-subの出力端子が無いものが増えている |
DVI | D-subがアナログ信号なのに対して、DVIはデジタル信号で、高画質。ただ、その後HDMIが主流になったことにより、DVI端子のあるモニターやパソコンは最近あまり見ない |
HDMI | テレビをつなぐときによく使われる規格で、多くのモニターやパソコンが対応している。映像だけでなく、音声も1本のケーブルで転送可能 |
DisplayPort | DisplayPortは、HDMIよりも高解像度な映像を投影することが可能。事務用途での利用であれば、HDMIで充分 |
Mini DisplayPort | コンパクトな端子なので、薄型ノートパソコンに搭載されることが多い |
USB Type-C | 上下どちらの向きに差しても使えるのが特徴。映像出力だけでなく電源供給も可能で、ノートパソコンやスマートフォンの充電規格として採用が増えている |
「種類が多くてどれを選べば良いか分からない」そういうコメントをよく聞きます。ざっくりお伝えすると、どの規格でも良いので、パソコンとモニターがつながれば、基本的にはデュアルモニターになります。
デュアルモニター環境にはケーブルが必要です。パソコンとモニターを接続するケーブルは、モニターに付属されていることが多いです。
ただし、パソコン側の出力端子がすでに埋まっている場合、別の規格で接続する必要があるので、ケーブルの購入が別途必要です。たとえば、よくあるのが、HDMI出力端子が1つしかないデスクトップパソコンとモニターをすでにHDMIケーブルで接続している場合です。デスクトップパソコンにはこれ以上HDMIケーブルを挿すことができません。
それなのに、追加購入したモニターに付属されていたケーブルがHDMIケーブルしかなかったら、それは利用できません。その場合は、パソコン側の空いている出力端子と、モニター側で利用可能な入力端子を見て、HDMIケーブル以外で接続可能なケーブルを購入する必要があります。
モニターの選び方は、デスクトップパソコンの場合と、ノートパソコンの場合とで異なります。
デスクトップパソコンをデュアルモニターにする場合は、すでに使用しているモニターと同じものか、似ているものを選ぶのがおすすめです。サイズや解像度が異なると、画面上の印象が変わるためです。まったく違うタイプのモニターでも利用上の問題はありませんが、操作の際に違和感がないか注意する必要があります。
ノートパソコンをデュアルモニターにする場合は、大きなモニターを利用するのがおすすめです。1つ目のモニター(ノートパソコン)が小さめのモニターにあたるためです。個人的には、34インチ以上あると、かなり満足できると思います。
ノートパソコンがUSB Type-Cで充電できるのであれば、給電できるモニターがおすすめです。
ノートパソコンとモニターをつなぐと、ノートパソコンの画面をモニターへ投影するのと同時に、ノートパソコンが充電できます。ノートパソコンの充電器が不要になりますので、机がすっきりして気持ち良いですよ。
この場合、3点注意があります。
モニターに付属するスタンドには、モニターの高さを調整できる昇降型のものと、高さ固定のものがあります。後者のほうが安いのですが、オフィスで使うなら前者がおすすめです。
モニターは、人によって快適な高さが異なります。使う人が変わったり、モニターを置く机を変えたりする度に、高さを調整できないスタンドだと不便です。
実際、私はオフィスに高さ固定のモニターを導入したことがあるのですが、人によって快適な高さを出すためにモニターの下に棚を置いたり、本を積み上げたりと工夫してもらう必要がありました。
従業員からの満足度は低かったので、せっかく購入するのなら多少高くても昇降型のものがおすすめです。
モニターを接続すれば、基本的に画面が映ります。ここでは、映った後に設定可能な3パターンの表示方法について紹介します。
デュアルモニターで最もよく使うのが、拡張だと思います。2つのモニターを1つの画面のように使えますので、画面が広くなって効率的に業務が行えます。
設定は以下から可能です。
スタートメニュー > システム > 設定 > ディスプレイ |
以下の画面が表示されるので、「マルチディスプレイ」のプルダウンから「表示画面を拡張する」を選択します。
拡張設定の場合、標準では、既存モニターの右側にモニターが追加されたと認識されることが多いです。
先ほどの「マルチディスプレイ設定の画面」の中にある、以下の「ディスプレイの配置を変更する」画面を開くと、それがわかります。
デスクトップパソコンでデュアルモニターの場合は、既存モニターの右端へマウスカーソルを持っていくと、追加モニターの左端にマウスカーソルが現れます。
ノートパソコンでデュアルモニターの場合は、ノートパソコンのモニターの右端へマウスカーソルを持っていくと、追加モニターの左端にマウスカーソルが現れます。
もしモニターの配置が左右逆であったり、ノートパソコンの真後ろに追加モニターを置いていたりすると、このマウスカーソルの動きには違和感がありますよね。
その場合は、上記の設定画面に表示されている「1」(既存モニター)をドラッグして、お好みの場所へ移動させてください。
デスクトップ画面に並んだアイコンを、追加モニター側に表示させたい場合は、メインディスプレイの切り替えを行ってください。
先ほどの「ディスプレイの配置画面」で、追加モニター側(「2」)をクリックします。すると、以下のように、追加モニター側に色が付きます。
設定画面を下へスクロールして、「これをメインディスプレイにする」のチェックボックスにチェックを入れます。
チェックを入れられない場合は、追加モニター側に色が付いていることを確認してください。
追加モニター側の表示を拡大・縮小することも可能です。画像③で、追加モニター側(「2」)に色が付いた状態で、設定画面の「拡大縮小とレイアウト」のプルダウンから、お好みの表示サイズを選択してください。
なお、「縮小」と設定画面に表示されていますが、元々のサイズである100%よりも小さく縮小することはできません。
また、以下の画像では最大225%まで選択できるように見えますが、モニターによって設定できるサイズが異なります。
2つのモニターに同じ画面を映すことも可能です。
たとえば、プレゼンを行う際に、自分はノートパソコンのモニターを見る、周りの人には追加モニターの画面を見せる、そんな場合にこの機能を使うのを見ます。イメージとしては、プロジェクターに投影するような感じです。
設定方法は、先ほどの「マルチディスプレイ設定の画面」で「表示画面を複製する」を選択するだけです。
デュアルモニターにしつつも、ひとつの画面のみを投影することも可能です。
設定方法は、先ほどの「マルチディスプレイ設定の画面」で「1のみに表示する」もしくは、「2のみに表示する」を選択するだけです。
前者の場合は、既存モニターのみに表示されます。後者の場合は、追加モニターのみに表示されます。
ただ、私はこの機能を使っている人を見たことがないので、何となくそういう機能がある、という程度の認識で問題ありません。
デュアルモニターの接続方法や設定方法を紹介してきました。ここでは、デュアルモニター環境において、より快適に業務を行うためのコツを紹介します。
頻繁に利用するアプリをタスクバーにピン留めしている場合、追加モニターにもタスクバーを表示させると便利です。
パソコンによっては、初期設定で追加モニターにも表示されるようになっています。もし表示されていない場合は、以下から表示させることが可能です。
タスクバーで右クリック > タスクバーの設定 |
以下の画面が表示されるので、「タスクバーボタンの表示先」プルダウンから「すべてのタスクバー」を選択します。
拡張モニターを利用する場合、モニターが広くなることによって、マウスカーソルの移動に時間がかかったり、何度もマウスを動かさないと隅から隅へ移動できなかったりします。
これを解決するために、マウスカーソルカーソルのスピードアップがおすすめです。設定直後は、マウスカーソルの動きが速くなって思い通りに動かせない方もいらっしゃいますが、私が見てきた限り、みなさんすぐに慣れました。
設定方法は以下の通りです。
スタートメニュー > 設定 > デバイス > マウス > その他のマウスオプション |
以下の画面が開くので、「ポインターオプション」タブを開き、「ポインターの速度を選択する」のスライダーを、一番右(速く)にします。
拡張モニターにすると、マウスカーソルがどこへ行ったか分からなくなることがあります。
たいていの場合は、マウスを動かしてみたり、右クリックしたりすれば、どこにあるか分かりますが、稀にどうしても見つからなくなることがあります。
その時に備えて、先ほどの「マウスのプロパティ画面」で「ポインターを自動的に規定のボタン上に移動する」にチェックを入れておきましょう。
そうすると、Windowsキー + r を押した際に表示される「ファイル名を指定して実行」というポップアップの「OK」ボタンの上にマウスカーソルが表示されるようになります。
デュアルモニターは基本的には簡単ですが、トラブルもあります。ここでは、私がこれまで経験した3つのトラブルとその解決策について紹介します。
音声出力端子(ヘッドフォン出力端子)付きのモニターをパソコンに接続した場合に、音声出力先が追加モニターへ自動的に切り替わり、今まで利用していたスピーカーから音が出なくなることがあります。
その場合は、音を出そうとしているアプリのスピーカー設定を確認して、モニターがスピーカーとして設定されていないかを確認してください。
今デスクトップ画面では、縦にいくつのアイコンが並んでいますか? もうひとつのモニターのデスクトップ画面では、縦にいくつのアイコンが並んでいますか?
この個数が異なる場合、解像度が異なっており、デスクトップ画面に並ぶアイコンの場所がずれることがあります。
設定で解像度を調整することも可能ですが、解像度が同じモニターを利用するのがおすすめです。
基本的には、パソコンとモニターを接続するだけで画面が映るのですが、映らない場合もあります。
経験上、これはハードウェアの不具合であることが多いです。
この場合、複数のパソコン、モニター、ケーブルを利用して、原因の切り分けを行う必要があります。ケーブルの不具合なのか、パソコンの出力端子の不具合なのか、モニターの入力端子の問題なのか、地道な確認が必要です。
私自身、ノートパソコンにモニターを接続して、デュアルモニター環境を利用しています。
大変便利な一方で、時にはノートパソコンのモニターのみで業務したい場合もあります。今この記事を執筆している時もそうですが、ひとつの画面に集中したい時は、あえてモニターを外します。複数の情報が目に入ると、かえって気が散るからです。
また、デュアルモニター利用時でも、複数のウィンドウを開いておけるからといって、メールやチャットを開きっぱなしにすることはしないようにしています。視界に入ると、新着がある度に画面が動いて、私の場合は気が散るためです。
このように、デュアルモニターは、生産性を向上させる一方で、集中力を妨げる可能性があります。
人や業務によってこのあたりの感覚は異なりますので、自分自身にあったデュアルモニターとの付き合い方を見つけることが大切だと、私は考えています。
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