目次

  1. 電話の対応時間短縮が大きなきっかけに
  2. 「商売の要」こそ見直しを
  3. 残業を減らしても売り上げは増加
  4. クリスマスでも仕事を増やさない
  5. 人件費=投資の発想を

 1912年創業のオカモトヤは、オフィス家具の専門商社で、従業員数は約150人。2022年、4代目の鈴木美樹子さんが、社長に就任しました。

 オカモトヤでは2015年から働き方改革に取り組み、制度の構築とフィードバックを繰り返してきました。その結果、直近では育児休業の取得率100%を実現。月あたりの平均残業時間も、13時間まで削減することに成功しました。

オカモトヤ4代目社長の鈴木美樹子さんはトップ就任と同時に、新規事業「Fellne」を立ち上げました

 残業削減のために、仕事が俗人化しないようチーム制にしたり、業務シェアをはかったり、といった取り組みを積み重ねてきました。なかでも大幅な残業削減のきっかけとなったのが、電話の対応時間の短縮だったといいます。従来は、顧客などからかかってくる電話に午後7時までスタッフが対応していましたが、これを段階的に午後5時半までに短縮。以降は留守電としました。

 鈴木さんは残業削減のポイントとして「自分たちの会社でなかなか一歩踏み出せないことに、あえてチャレンジしてみるのがよいと思います。そこが一番盲点になっていて、(残業削減の余地が)あったんだと気づけるのでは」と話します。

 実際にオカモトヤでも、商社にとって重要な電話対応の時間短縮はハードルが高く、完全に切り替えるまで2年ほどかかったそうです。

 「商売の要になることを否定しないといけないというのはとても大変だし、私もどうやって説得をすればいいのかと非常に悩みました。そういう超えられない壁は誰でも持っています。時間がかかってもいいので、あきらめずやり続けるのが大事かなと思います」

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