目次

  1. アトツギ甲子園とは 中小企業後継者向けピッチ大会
  2. 書類選考落ちから「ノリノリライフ」でヒット
  3. 「事業化は悔しさという燃料があったから」
  4. 事業を伸ばす過去のエントリー者たち
  5. 補助金だけでない中小企業の事業開発支援

 アトツギ甲子園とは、中小企業・小規模事業者の後継者が既存の経営資源を生かした新規事業アイデアを発表するピッチイベントです。

第4回アトツギ甲子園の決勝大会
第4回アトツギ甲子園の決勝大会

 団塊の世代が75歳以上の高齢者になると言われる2025年が迫るなか、事業承継は喫緊の課題となっています。早期の事業承継を進め、後継者にも十分な後押しをすることが重要だとして、中小企業庁が2020年度から毎年度開催しています。第6回に向けた予算も、政府の2025年度当初予算案に計上されました。

 2027年度までの目標として、50件の新規事業展開や事業拡大が生まれることを目指しています。そこで、これまでエントリーした後継者にその後の展開を聞くと、事業の芽が育ちつつあることがわかりました。

 「もともと構想していた事業でしたが、ブラッシュアップできたことはよかったし、書類審査で落ちたことが事業を進めるうえでのモチベーションになりました」と話すのは、福岡県柳川市の「乗富鉄工所」3代目の乗冨賢蔵さんです。

 第3回アトツギ甲子園で「職人技で地方を元気にする!鉄工所発の地域課題解決『ノリノリプロジェクト』」をテーマにエントリーしました。職人技×デザイン×コラボレーションで様々な事業を生み出し地域課題を解決していく活動を提案しましたが、結果は書類選考で落ちました。

 しかし、そこで終わることなく、会社の外に出て、周りの人をどんどん巻き込んだ結果、福岡大学の学生やデザイナー、家具メーカー、観光業者などとコラボレーションを通じて様々な事業が生まれました。

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