目次

  1. 改正特定商取引法の施行
  2. 改正公益通報者保護法の施行
  3. 無人航空機の登録が義務化
  4. 犬や猫のマイクロチップの装着が義務化
  5. EMS(国際スピード郵便)と国際小包の値上げ
  6. Internet Explorer(IE)のサポート終了
  7. チェックしておきたい2022年10月以降の法改正
    1. 社会保険の適用拡大
    2. 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設・育児休業の分割取得

 特定商取引法の改正が2022年6月1日に施行されます。D2Cビジネスに取り組む中小企業が増えているため、自社サイトがきちんと対応できているか確認してください。

 EC事業者は、注文確定直前の最終確認画面で、注文した消費者が販売価格や支払時期、返品方法など6項目を簡単に確認できるよう表示しなければなりません。

 あわせて、特定商品等の預託等取引契約に関する法律(預託法)も改正され、いわゆる和牛商法やジャパンライフ事件のように消費者トラブルが頻発した販売を伴う預託等取引を原則禁止されることになりました。

 2022年6月、改正公益通報者保護法が施行されます。改正法では、事業者に内部公益通報対応体制の整備が義務付けられるなど、実務上大きなインパクトがあります。

 従業員の数が300人以下の中小事業者に対しても、内部公益通報に適切に対応するための必要な体制の整備と内部公益通報を受け付け、内部公益通報に関して調査をし、または、その是正措置等を行う従事者の指定について努力義務が設けられました。

 国土交通省の特設サイトによると、航空法の改正で2022年6月20日から、機体重量100g以上のドローンなどの無人航空機に対し、所有者情報などを登録することが義務化されます。

 2022年6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されます。飼い主になるときは、登録情報の変更が必要になります。環境省の特設サイトに、飼い主向けのQ&Aが掲載されています。

 ブリーダーやペットショップといった販売業者以外から犬や猫を譲り受けた場合には、マイクロチップの装着は必須ではなく、努力義務となります。

犬猫所有者のマイクロチップ装着・情報登録の流れ(環境省の特設サイトからhttp://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html)

 2022年6月1日以降に出す国際郵便物は、料金に注意してください。日本郵便がEMS(国際スピード郵便)と国際小包の値上げを公表しています。

 そのほか、国・地域ごとに料金が変わる「地帯」を再編し、小包郵便物(航空)の重量段階を1kgごとに変更します。さらに、航空輸送量の減少に伴う輸送コストの高騰によるEMS特別追加料金を国際小包(航空)にも適用します。

 国際スピード郵便(EMS)や国際小包を送るときの差出人の住所・氏名や内容品などの情報の電子化が義務づけられています。ヨーロッパ宛ての荷物を2022年6月20日から手書きの宛先では引き受けないと日本郵便が公表しています。荷物を送るときはあわせて注意してください。

 法改正以外でも、中小企業で注意を必要とするのが、Webブラウザ「Internet Explorer(IE)」のサポート終了です。2022年6月16日(日本時間)以降は使えなくなりますので、IEベースで利用している社内システムなどは、後継ブラウザであるMicrosoft Edgeで動くか前もって確認しておきましょう。

 2022年は10月にも法改正の施行がありますので合わせて紹介します。

 2022年10月と2024年10月、社会保険の適用対象が段階的に拡大されます。これまで社会保険の適用外となる働き方をしていたパートタイマーも、改正により新たな加入対象となり得るため、企業と従業員双方に大きな影響が予想されます。

 改正育児・介護休業法は3段階で施行され、2022年10月には、第2段階となる産後パパ育休(出生時育児休業)の創設と、育児休業の分割取得が始まります。

産後パパ育休(2022年10月~) 育児休業制度(2022年10月~) 育児休業制度
(従来)
対象期間
取得可能日数
子の出生後8週間以内に。4週間まで取得可能 原則子が1歳
(最長2歳)まで
申出期限 原則休業の2週間前まで※1 原則1カ月前まで
分割取得 分割して2回取得可能(初めにまとめて申し出ること) 分割して2回取得可能(取得の際にそれぞれ申出) 原則分割不可
休業中の就業 労使協定を締結している場合に限り、
労働者が合意した範囲※2で休業中に就業可能
原則就業不可
1歳以降の延長 育休開始日を柔軟化 育休開始日は1歳、
1歳半の時点に限定
1歳以降の再取得 特別な事情がある場合に限り再取得可能※3 再取得不可

※1 雇用環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができる。

※2 具体的な手続きの流れは以下①~④のとおり。
①労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申し出
②事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示
③労働者が同意
④事業主が通知
なお、就業可能日等には上限がある。
※3 1歳以降の育児休業が、他の子についての産前・産後休業、産後パパ育休、介護休業または新たな育児休業の開始により育児休業が終了した場合で、産休等の対象だった子等が死亡等したときは、再度育児休業を取得できる。