補正予算とは ゼロゼロ融資借り換え・補助金など中小企業支援に1.1兆円
政府は、2022年度(令和4年度)補正予算案を閣議決定しました。中小企業庁によると、補助金や資金繰り支援など中小企業を支援する中小企業庁の政策に1兆1190億円を盛り込まれているといいます。具体的には、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金のほか、資金繰り支援が含まれています。
政府は、2022年度(令和4年度)補正予算案を閣議決定しました。中小企業庁によると、補助金や資金繰り支援など中小企業を支援する中小企業庁の政策に1兆1190億円を盛り込まれているといいます。具体的には、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金のほか、資金繰り支援が含まれています。
目次
国や地方自治体は毎年、予算を組み、予算をもとに様々な政策に取り組んでいます。しかし、新型コロナや災害対応など当初予算で対応できないときに新たにつくるのが、補正予算です。改めて国会で補正予算案を審議する必要があり、議決されると補正予算として成立します。
2022年の補正予算案は、岸田内閣の「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を実行するのが目的の一つで、財政投融資などを含む財政支出は総額39兆円と異例の規模に上ります。
補正予算は、2022年12月10日までを会期とする臨時国会で審議されます。11月21日にも審議入りする見通しですが、相次ぐ閣僚の辞任や岸田内閣の支持率低迷で、国会運営が難しくなっており、会期を延長する可能性も出ています。
しかし、年末には2023年度予算案の編成作業や安全保障関連3文書の改定の手続きが控えており、いずれにしても窮屈なスケジュールとなりそうです。
補正予算案には、中小企業庁による中小企業支援など1兆1190億円が盛り込まれており、中小企業庁の公式サイトでポイントがまとめられています。
民間ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)からの借り換え需要に加え、他の保証付き融資からの借り換えや新たな資金需要にも対応するため、100%保証で借り換えできる保証制度を創設します。
金融機関による継続的な伴走支援による経営改善に取り組む事業者が、一定の売上減少要件などを満たす場合の保証料の一部を補助します。詳細は以下の通りです。
保証限度額 | 1億円 |
保証期間 | 10年以内 |
措置期間 | 5年以内 |
金利 | 金融機関の所定金利 |
保証料(事業者負担) | 0.2%など(補助前は0.85%など) |
要件 | 売上高または利益率の一定程度の減少など |
その他 |
100%保証の融資は100%保証での借り換え可能 経営行動計画の作成 金融機関の継続的な伴走支援 |
経営者保証とは、中小企業が金融機関から融資を受けるときに、経営者やその家族が連帯保証人になることです。経営者保証を締結していると、会社の返済が滞ったときに、経営者自身の個人財産を処分してでも返済する義務が発生します。
創業時に課題となることが多いため、保証上限3500万円とし、経営者保証を不要とする信用保証制度を創設します。
事業者が債務不履行となった場合に発生する信用保証協会の損失の一部などを国が補填します。具体的な制度設計は、2022年内をめどにとりまとめる予定です。
事業再構築補助金とは、中小企業等の付加価値額向上や賃上げにつなげつつ経済の構造転換を促すことを目的とした補助金です。申請類型を再編し、次のような狙いがあります。
ものづくり補助金は、革新的製品・サービスの開発や生産プロセスなどの改善に必要な設備投資を支援します。また、大幅な賃上げに取り組む事業者へのインセンティブを強化するほか、海外でのブランド確立などへの支援を強化します。
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら経営計画を作成して取り組む販路開拓を支援します。とくに、インボイス枠を拡充し、課税事業者に転換する事業者の補助上限を50万円上乗せします。
IT導入補助金は、中小企業の業務効率化やDXを推進するため、ITツールの導入費用を支援します。インボイス対応に必要なITツール導入促進のため、クラウド利用料(2年分)やハード(PC等)購入も補助の対象となりました。安価なツールにも対応できるよう5万円の補助下限額を廃止しました。
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継・引継ぎにかかる設備投資や販路開拓、専門家活用、廃業費などを支援します。
海外展開を目指す中小企業の支援に向けて、中小機構が戦略立案・具体化などを支援します。販路開拓ではJETROとも連携を予定しています。
インボイスや物価高への対応としては、補助金だけでなく、商工会・商工会議所などの相談対応の強化や指導員向け講習、よろず支援拠点コーディネーター増員にも取り組む予定です。
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