人材育成で大切なこととは 中小企業の実践事例から紹介【写真特集】
人材育成とは、会社が持つ人的資源に会社が投資することを指します。これまで取材してきた中小企業の事例から「社員が自ら学び続ける組織」「見て覚えろではなくきちんと教育制度を充実させる」「人をコントロールしない育て方」など、いくつかのポイントが見えてきました。
人材育成とは、会社が持つ人的資源に会社が投資することを指します。これまで取材してきた中小企業の事例から「社員が自ら学び続ける組織」「見て覚えろではなくきちんと教育制度を充実させる」「人をコントロールしない育て方」など、いくつかのポイントが見えてきました。
目次
企業が人材を育成する目的は、経営課題を克服できる人材を育成し、企業と社員の成長を促すことにあります。人材育成をするうえで重要なことは、意図説明、実施、フォローの流れを忘れずに行うことです。
人材育成には、OJT、Off-JT、自己啓発の3つの手法があります。
OJTは日常業務の中で行われる教育訓練で、即戦力を育成するために有効ですが、仕事を俯瞰しにくいというデメリットもあります。
Off-JTは通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練で、多角的な視野を学ぶ機会となりますが、コストがかかります。
自己啓発は社員が自らスキルや知識を身につけることで、会社はその促進をサポートすることが求められます。
それでは、人材育成をするうえで大切なことについて、それぞれの手法を用いている中小企業の事例を紹介します。ポイントは以下の通りです。
このほか、厚生労働省は「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」を作成し、採用や定着に成功している20社にヒアリングし、成功事例を冊子(PDF方式)に取りまとめています。
愛知県にある創業117年の缶メーカー「側島製罐」6代目の石川貴也さんは、代表取締役に就任した2023年、「社長」という肩書をなくして、みんなで経営する自律分散型の組織となることを掲げました。
2023年から「自己申告型報酬制度」を採り入れ、社員それぞれが自分の役割(学びたいことも)と報酬を宣言しています。
2023年のサッカー・Jリーグ3部(J3)で優勝し、3年ぶりのJ2復帰を決めた愛媛FC(松山市)。「育成」を経営ビジョンに据えて強化部との連携を深めたり、スポンサー開拓の幅を地元以外に広げたり、クリエーティブ人材の参加で情報発信力を高めたり、矢継ぎ早の改革を推進しています。
千葉県鎌ケ谷市の超野球専門店CVは、バットやグラブなどの野球用品に特化し、豊富な品ぞろえで顧客を全国に広げています。
3代目は、大手量販店に対抗するため、野球用品への特化を加速。採用は高校野球経験を必須とし、接客だけでなく野球用品の修理・加工ができるように指導し、店の売り上げを黒字に転換させました。
地上にある電線を地中に埋める、土木工事の施工管理を専業とする「豊和工業」(東京都大田区)。「仕事は現場で覚えるもの」という考えが元々根強く、研修もそこそこに現場に即配属していました。
しかし、人材を定着させるために教育制度づくりに取り組みます。
1965年創業の「関屋リゾート」(大分県別府市)は、温泉の種類が豊富で湧出量が日本一の別府市で、絶対的個性の旅館やホテル3施設を展開する企業です。人材不足や離職率が高い旅館ホテル業界の中でも、離職はほとんどありません。
そこには「人をコントロールしない育て方」という取り組みがありました。
明治クッカー(千葉県市川市)は明治の牛乳やヨーグルト配達する会社です。2代目社長は、解約数が増えるなどの課題に直面しながらも、従業員向けの勉強会などで改善を繰り返し、顧客数は事業承継当時の10年前と比べて約6倍に。年間売上高は約7倍になりました。
業務効率化のため、Google Workspaceを活用。
1人でも例外をつくると業務の生産性は下がってしまうため、いかに業務が楽になるかを説明して、タブレットの使い方のフォローもしました。いまでは、70代の従業員もタブレットを使いこなしています。
建設業界では、人手不足や職人の高齢化が深刻な課題となっています。そんななか、東京都文京区の原田左官工業所は、スポーツ界で採り入れられている人材育成システムや女性職人の活用、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
埼玉県羽生市のキットセイコーは、人工衛星など特殊な用途で使われるねじの製造に特化したメーカーです。
3代目社長は、マイスター制度による技能継承や工場内の整理整頓、働き方改革を進めて家業の課題解決を図り、小惑星探査機はやぶさやF1のレーシングカーに使われるねじの受注につなげる土台を作りました。
人材育成のポイントと手法(デザイン:吉田咲雪)
人材育成の目標を立てる手順と指針の立て方
右腕人材が経営に与える影響と育成方法の調査結果(2023年版中小企業白書から引用 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/PDF/chusho.html)
適材適所とは(デザイン:浦和ゆうすけ)
フィードフォワードとは?(デザイン:浦和ゆうすけ)
アントレプレナーシップとは(デザイン:吉澤風香)
エンパワーメントとは(デザイン:吉澤風香)
レディネスの概要と高める方法(デザイン:増渕舞)
ピグマリオン効果とは(デザイン:吉田咲雪)
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