経営者にも必要な「聞く力」 日本総研・石川智久さんが選ぶ5本
ツギノジダイでは毎月、20本近い経営者インタビューを掲載しています。その中から、Yahoo!ニュースの公式コメンテーターとしても知られる日本総研の石川智久・上席主任研究員が選んだ注目記事を、解説とともに月1回お届けします。初回は、2022年2月の掲載分から5本をピックアップしてもらいました。キーワードは「聞く力」だといいます。文中の記事リンクとあわせてご覧ください。
ツギノジダイでは毎月、20本近い経営者インタビューを掲載しています。その中から、Yahoo!ニュースの公式コメンテーターとしても知られる日本総研の石川智久・上席主任研究員が選んだ注目記事を、解説とともに月1回お届けします。初回は、2022年2月の掲載分から5本をピックアップしてもらいました。キーワードは「聞く力」だといいます。文中の記事リンクとあわせてご覧ください。
目次
タクシー会社の経営革新の好事例と思って記事を読みました。一つ一つは小さなことからもしれませんが、それを積み上げて、成果を出し続けている姿勢に素直に脱帽です。
この中で私が特に注目したのは 1on1ミーティングのやり方です。最近、リーダーと部下が一対一で面談する1on1ミーティングが流行していますが、各方面からやり方がわからないという声をよく聞きます。この記事の事例では、部下から受けた提案などについては、放置せず、期日を決めて、きちんと実行し、無理なものはきちんと理由をつけて出来ないと説明しているとのことでした。上司に進言したものの、何もリアクションがなければ、社員はやる気を失います。この会社は部下の話に真摯に対応しており、1on1ミーティングを有効活用する方法として注目されます。
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この会社の魅力は一言で言えばアジャイル、つまり、 新しい状況に対して 素早く動くというところです。記事の中から漂ってくる「やってみなはれ精神」が素晴らしい。「チャレンジしてダメだったら手を引けばいい」「楽しそうか、ワクワクするかどうかでチャレンジする」というのはほかの会社も見習ってほしいところです。ソニーが創業時の理念として掲げた「愉快なる理想工場」を思い出させます。中小企業だからこそ、こうしたわくわく感は大事にしてほしいと思います。
情報共有もなかなか個性的です。記事の後編によると、全従業員が見られるLINEグループを作って良いことも悪いことも共有しています。社員全員がオーナーシップを持つという意味で大変参考になります。
親の会社や家業などを継ぎたいけども、一般的な会社に就職したという方は多くおられると思います。そして 自分の会社をどう継いでいくのか、それともほかの方にゆだねるのか、悩むかと思います。そうした悩みの突破口の一つがこの記事にある副業かもしれません。副業可能な会社に勤務しながら、家業を副業としてやるという方法の実践例がこの記事にあります。特に注目されるのが副業を失敗しない形で実行するという考えで様々な工夫をしていることです。
自分の生活を充実させつつ、家業を継ぐ方法が確立できれば、後継ぎ問題も解消に向かうと期待されます。また自分の経験を自分だけのものにせず、コンサルティングという形で付加価値を加えてビジネスにしていることも前向きで素晴らしいと思いました。
東日本大震災の被災という苦境や、自分たちの商品開発が失敗したことから学ぶというところがとても勉強になります。この記事を見ると、やはり自分の経験から教訓やノウハウを学び、それを自分の言葉で整理した上で形式化し、うまく次の展開につなげていくことが経営者にとって重要ということがわかります。社長の「失敗のコストが研修費」というのは本当に名言です。
また、社員のアイデアは即採用というのもなかなか面白いです。提案されたものが採用されれば社員のやる気になりますし、社員自体もきちんと考えて行動するようになります。挑戦できる環境整備に努めているとのことであり、従業員全員で挑戦する組織の作り方として大変興味深く読みました。
「いいものを作っているが、なかなか売り上げに結びつかない」、そういった悩みを抱えておられる企業の方も多いと思います。この記事はそうした企業にぜひ読んで欲しいものです。キーワードはブランド化です。模倣品に対してうまく対抗する方法、パッケージの工夫、売れ線ではない商品を減らしてより強みのある商品に注力するなど、ブランドの作り方の実践例が多く記載されています。
また、この記事で特に注目されるのが、思い切って祖業であるうどんをやめて、焼きそばに一本化したところです。先祖代々の事業であってもそれをスパッと捨てて強いところに注力するといった、思い切りの良さも勉強になります。一方で、祖業はやめても、代々の経営者が培ってきた「おいしさのこだわり」は大事にしています。業務内容は変えても、理念や精神は変えないことが重要です。
一連の記事を読んでみて痛感したのは、岸田総理ではありませんが、経営者には「聞く力」が求められているということです。特に、従業員の声を熱心に聞くということがとても大事になります。従業員は日々色々なことを考えています。特に中小企業だからこそ、全員の意見に耳を傾けるということに大変強い印象を受けました。そして聞くだけで事足れりとするのではなく、すぐに実行するということがとても重要であると感じます。
さらに、いろいろチャレンジして、ダメだったらプランB、プランCにすぐ切り替えていく柔軟性も多くの企業に共通していました。聞く力と動く力、この両輪が必要ということです。従業員全員の声をいかにスピード感を持って実行に移せるかが成功のカギです。
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