採用もSNSも製造業DXも 経営層ら中小企業リーダーズサミットで討論
杉本崇
(最終更新:)
中小企業の経営改善に役立つ情報を発信するメディア「ツギノジダイ」は、2月7~9日にリアル+オンラインのハイブリッド形式で「日本を変える中小企業リーダーズサミット2024(中サミ)」を開催。 中小企業のリーダー層をはじめ約6000人が参加登録しました。全45講演のなかから、「ファンマーケティングは売上にどう影響するのか?」「若者を引き付ける企業を目指すには 後継ぎ経営者の採用戦略」「製造DXで高める生産性 アナログとデジタルの使い分け」をテーマにした中小企業経営層とのトークセッションの様子をお伝えします。
商品の魅力伝えるSNS、YouTubeを活用
「中小企業こそ活用すべきSNS・EC」のトークセッションでは、人気商品「クルミッ子」で知られる鎌倉紅谷代表取締役の有井宏太郎さんが登壇しました。
鎌倉紅谷は、様々なSNSで各1万~9万フォロワーがいます。有井さんは「商品や店舗の情報を伝えるInstagramはコメントを多数いただくので、丁寧に返事するよう心がけています。フォロワーとの接点がより密接なのがXです。(愛のある投稿は)いつまでも見たくなっちゃいますね」と話しました。
もう一人の登壇者は、YouTubeチャンネル登録者数約27万人の書店「有隣堂」。広報・マーケティング部長の渡邊恭さんは「本の紹介動画で再生数が伸び悩んだ時期もありました。ですが、きちんと商品愛を届けたいと考え、パペットのMCとスタッフやゲストとの素直な掛け合いを通して、ご視聴いただける方が増えていったのです」と紹介しました。
「顔が見える採用サイト」「ミスマッチ防ぐ情報を」
「若者を引き付ける企業を目指すには 後継ぎ経営者の採用戦略」のトークセッションでは、川魚の卸売りを手がける鯉平代表取締役の清水亮佑さんと、産業用ヒーターを製造するスリーハイ 代表取締役の男澤誠さんが登壇しました。
鯉平は生き物を扱うため、早朝勤務が主になります。清水さんは「早朝勤務になることはハローワークなどを通じた採用段階で明確にし、ミスマッチを防いでいます。その分、同世代より高い給与を出し、私の代になってからは年間休日も大幅に増やして120日としました」と語りました。
スリーハイは自社の採用専用サイトの充実で、人材獲得につなげました。男澤さんは「社員がたくさん出てくるサイトにしています。どんな人が働き、どんな一日を過ごしているかを伝えて、採用希望者に安心して働くイメージを持ってもらうことを意識しました」と話しました。
DXの活用で職人をサポート 補助金も積極活用
「製造DXで高める生産性 アナログとデジタルの使い分け」のトークセッションでは、小川製作所営業技術部・取締役の小川真由さん、中島プレス工業代表取締役の小松崎いずみさんが登壇しました。ともに小規模の町工場の経営に携わる後継ぎです。
小川製作所は職人による加工技術が強みです。小川さんは「3次元CADの導入や間接業務へのデジタルツール活用で、職人が仕事に集中できる環境を作っています。私自身が会社の業務を棚卸しすることで、情報の流通量を必要最小限にしています」と話しました。
中島プレス工業は15年ほどかけてDXを浸透させました。小松崎さんは「ITツールの導入で、生産記録の見える化に努めています。補助金を活用して業務を楽にする端末も導入し、従業員や物を探す時間や工場内を歩く時間を減らして効率を高めました」と語りました。
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この記事を書いた人
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杉本崇
ツギノジダイ編集長
1980年、大阪府東大阪市生まれ。2004年朝日新聞社に記者として入社。医療や災害、科学技術・AI、環境分野、エネルギーを中心に取材。町工場の工場長を父に持ち、ライフワークとして数々の中小企業も取材を続けてきた。
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