「まず飛び込め」「頑固一徹の時代じゃない」 後継ぎたちの金言
ツギノジダイでは2022年、約200本の経営者インタビューを載せました。家業を背負い経営改善に挑む覚悟を感じさせる後継ぎらの「金言」を、22年に公開したインタビュー記事からピックアップしました。
ツギノジダイでは2022年、約200本の経営者インタビューを載せました。家業を背負い経営改善に挑む覚悟を感じさせる後継ぎらの「金言」を、22年に公開したインタビュー記事からピックアップしました。
目次
事業承継をめぐるストーリー、新商品開発、組織づくりなどに取り組む後継ぎたちのインタビューからは、家業を継ぐための心構えが垣間見えます。象徴的な言葉を記事の中からピックアップしました(肩書は公開当時)。記事本編もリンクからぜひお読み下さい。
ただおいしいものを作っただけでは商品は売れません。どう知ってもらうかが大事で、そのためにはIT化と適切なマーケティングで会社が再生することを知ってほしい。それができる若手が家業に戻ってくれば、業界全体も盛り上がるのではないでしょうか。
事業を承継するには、次世代に向けてやりたいことをやれるだけの環境を整え、相応の開発資金を用意してあげるのが大切です。自由な発想を育てて事業に生かせるように子育てしたい。
管理・賃貸会社は経営に欠かせないパートナーではありますが、任せっきりにしない。自らが入居者さんのために積極的に動くことが重要だと考えています。そのような動きは必ず誰かが見ていますしね。『天は自ら助くる者を助く』です。
どんなに良い素材で丁寧に作っても、使ってもらえなければ意味がありません。時代の変化に感覚を研ぎ澄ませ、センスを磨くことを大事にしています。全国各地で目の肥えたお客様とふれあい、最先端の着こなしや今求められている色などを勉強させてもらいました。伝統工芸は、当たり前のことを続けるだけではだめ。作品も商売も時代のニーズに合わせて変わり、お客様に選んでもらえることが大切だと思います。
わからないことが多くても、まずは飛び込んでみることが大切。一度飛び込めば、「実績がない」「まずはポップアップストアを出店しよう」などと、課題とやるべきことがわかります。課題を解決するうちに、少しずつ前に進めるはずです。
うちのお菓子は「変えないこと」に価値があると思っています。変えることはいつでもできるし、正直なところそれほど難しくはありません。それよりも、環境が変化するなかで同じものを作り続け、新しいお客さんも獲得していく方がチャレンジングだと考えています。
もし会社の方向がずれているなら、思い切って逆方向に事業をふった方が僕はいいと思っています。たとえば、印刷の会社が紙をなくすとかですね。むしろ本業側から、時代の変化に合ってないことは変えましょうと提案した方が絶対いいと思っています。とはいえ、会社の歴史は資産だし、そこを大事にしないと新規事業もうまくいかないと思います。コクリ(サカワの黒板アプリ)も、ベンチャー企業が販売していたらここまでヒットしなかったんじゃないかと。100年黒板を作ってきた企業が黒板の機能を拡張する製品を出したからこそ、説得力があってウケたわけです。先代が続けてきてくれたからこそ、今がある。
事業規模を追うのもいいですが、会社の大きさは維持しつつ、中身をよりよくしていくことも大切だと思うんです。この工場内でやれることには限界がありますが、その中で「やれることをやる」のが大事かなと。一過性のはやりものを大量生産するより、本当に求められるものだけを作りたい。一時的にたくさんの注文をくれる会社より、利益率は低くても、長くお付き合いできる取引先を大事にしたいんです。
一定の市場ができれば、漁師さんから海苔を高く買えることにもつながりますし、おいしい海苔の文化を守ることもできると信じています。原宿のクレープのように、日本橋の街でみんなが海苔を食べる世界が来たら、もうめちゃくちゃ面白いなって思っています。
今後、さらに女性のトップが増えることが予想されます。今はその前だからこそ、何かを発信して社会に影響力を与えるチャンスだと思っています。
長いあいだ引き継がれてきた会社の強みをしっかりと理解すること。その上で会社の財産として大事にすると共に、各時代にビジネスとしてどう展開していけばよいのか、調整していく。このような取り組みこそが、まさに家業を継ぐ意味だと捉えています。
中小企業なら20人規模とかなので、全員の仕事を見せられるじゃないですか。だから、町工場はSNSや動画をフル活用したほうがいいと思います。「今の若い人が・・・」という声もありますが、「団塊世代」のケツをたたく方がいいかもしれないですね。頑固一徹でやっていく時代じゃない。そうなると、閉鎖的になって若い人が入る余地がなくなりますよね。自分の技術をどんどん広めていくくらいじゃないと。
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