目次

  1. 石膏型メーカーの人工乳房などの医療用具に脚光
  2. 木工の伝統技術「組子」、広げた活躍の場
  3. クルミッ子の転売対策を支持する声集まる
  4. シルクジャカードの家業のピンチに立ちあがった姉妹
  5. 「黒いテント」の自社ブランド 組織も活性化
  6. スーパー「アキダイ」社長の人柄にも共感の声
  7. 電気代の削減が働き方改革にもつながる事例
  8. SNSでのバズは売上につながるのかにも関心
  9. アウトドア専門店エルク、情報共有から組織改革へ
  10. 「大谷かぶと」のニュース性だけじゃない組織改革
  11. 読まれた記事の共通点は有名だけでない「共感」
  12. ツギノジダイの記事の流入経路

 愛知県常滑市の石膏型メーカー・マエダモールドは、焼き物の石膏(せっこう)型からタイルなど建材の型まで、「型作り」による幅広い事業を手掛けています。

 石膏型を提供する窯元の廃業が続く中で、型作りの高い技術を生かしたエピテーゼと呼ばれる医療用具作りをはじめ、売り上げの柱に育てあげたことが多くの共感を呼びました。

 約1400年もの間、平面でのみ継承されてきた木工の伝統技術「組子(くみこ)」を、世界で初めて立体や曲面で表現することに成功した村山木工(京都市)は、伝統的な木工の仕事から高級ホテルの内装などへと活躍の場を広げています。

ショールームを兼ねた「Mushroom-office&café」の店内では、村山木工の妙技を鑑賞しながらカフェ利用ができます(村山木工提供)

 歴史ある伝統技術を新しい事業へと生かす姿に今後のさらなる成長を期待する意見が多くみられました。

パッケージ変更後のクルミッ子

 「クルミッ子」などの人気菓子で知られる「鎌倉紅谷」(神奈川県鎌倉市)が2023年4月から転売対策として「クルミッ子切り落とし」の商品表示シールに希望小売価格を明示することにしました。クルミッ子はファンが多く、SNSで拡散しやすい傾向にあります。

 鎌倉紅谷は安全衛生上のリスクなどから長年転売対策に取り組んできており、今回の取り組みについても支持する意見が多くみられました。

小倉織物の小倉久英社長(中央)と娘の理枝さん(左)と有紀さん。

 1895年創業の小倉織物株式会社(石川県小松市)は、絹織物の中でも特に繊細で、高度な技術を必要とする後染め洋装のシルクジャカードを織ることができる、日本でほぼ最後の会社です。

 社長である父を助けようと姉妹が立ち上がり、クラウドファンディングなどを手がけました。そんな姉妹を応援する声が集まりました。

 高精度の金属切削加工を祖業とする町工場「シンワ」が、「黒いテント」に代表されるアウトドアアウトドアブランド「muraco」で脚光を浴びています。ブランドの卸先は国内外約130軒に拡大。記事では、事業を軌道に乗せるまでの苦労や組織づくりまでの過程にも迫りました。

 野菜高騰などのニュースがあるたびテレビに頻繁に登場する、東京都練馬区の食品スーパー「アキダイ」。

食品スーパー「アキダイ」を創業した、社長の秋葉弘道さん

 店が成長する過程を前後編で紹介しました。秋葉社長は元々、口下手だったそうですが、「もっと人前で喋れる人間になりたいと思うようになった」というなかで天職ともいえる八百屋の仕事に出会います。

 そんな人柄を応援する声も多数寄せられました。

 「藤沢製本」は、2023年7月の電気料金が約32万円と前年同月と比べて4割(約20万円)削減しました。

 電気代削減の秘訣は、「デマンド契約」で最大需要電力を抑えつつ、補助金を活用して照明をLEDに変えたこと。そして何より、残業や土日出勤を大きく減らす働き方改革が大きく影響したことに注目が集まりました。

 金属加工を手掛けるステンレスジョイント(兵庫県尼崎市)は、試作した菜箸立ての動画をツイッター(現X)に投稿したところ、1万いいねという大きな反響を獲得しました。

大きな反響を呼んだ菜箸立て「hazure」の投稿

 そこから急きょ商品化の準備を進め、投稿からわずか2日でECサイトでの販売にこぎつけます。SNSでのバズはどこまで売り上げにつながるのか。舞台裏を紹介したストーリーに関心が集まりました。

 登山用品などの豊富な品ぞろえや積極的な登山情報の発信にも積極的で、アウトドア専門店として知られている「アウティングプロダクツエルク」(エルク)を前後編で紹介しました。家族的なゆえにアナログだった経営体質からの改革は情報共有から始まりました。そんなストーリーを深掘りしています。

 メジャーリーガーとして2023年も活躍した大谷翔平選手。その大谷選手が被った「大谷かぶと」の製造元の丸武産業を記事で紹介しました。本社・工場、経営する観光施設を集約することで職人の仕事への張り合いを生んだ改革について紹介しています。

 ツギノジダイでよく読まれる記事の共通点として、もちろん元々の知名度の高さやSNSでの発信力は大きく影響します。しかし、読者の共感を呼ぶテーマが明確に打ち出されているかも重要な要素となります。

 以下の記事10本も多く読まれました。どんなポイントが読者の共感を呼んだのかも想像しながら読んでみてください。

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 2023年1月1日~12月29日の間に、ツギノジダイ上で多く読まれた経営者ストーリーは次の通りでした。今回の集計では、見出しを変えても1本の記事として集計しています。ほかのメディアプラットフォーム上で読まれた数も含めています。